――さっそくですが、まずは本作の第一印象をお聞かせください。
涼本
“小説”と言うと固く聞こえてしまう部分もあると思うんですが、読んでみると喋り言葉で書かれているところや、いろいろなパロディだとかネットミームみたいな表現がちりばめられているところなど、読みやすくてとても楽しい作品だと思いました。私自身、小学生くらいからアニメや関連した文化に触れてきたんですけど、そういう人だからこそわかる表現がたくさんあります。
もちろん、渉と愛華のくっつきそうになったり離れたりという距離感を見守る部分が魅力で、どうにか二人に幸せになってほしいなと思って読んでいました。
宮瀬
小説をじっくり読むのが結構苦手なんですけど、気付いたら一冊読み終わっている、みたいなテンポの良さがすごいおもしろくて。渉が心の中でノリツッコミをしている、かと思いきや、現実の発言は的を射たしっかりしたアドバイスになっているとか、コメディではありつつ、キャラクター一人ずつの心情が繊細に描かれているとか、いろんな面でメリハリがある作品だと思いました。
それと、「もどかしい」は読んだら絶対に出てくる言葉なので、ぜひ体験してもらいたいです。